コンパニオンプランツを利用したリレー栽培をご存じですか?
リレー栽培とは、畑で先に栽培(前作)した野菜が、後に栽培(後作)する野菜の環境づくりをしてくれるメリットがある栽培方法のことです。
リレー栽培のメリットは、先に栽培した野菜で、病原菌等を減らして、後から栽培する野菜の病気を防ぐことができたり、先に栽培した野菜のおかげで土が肥沃になって、後から栽培するときに肥料がいらなかったり、少ない肥料で栽培できたりするところです。
ここでは、リレー栽培をつかった1つの例を、年間プランでお知らせします。
この方法は、連鎖障害がおこらず、2年目も同じプランで連作することができますよ。
Contents
コンパニオンプランツとリレー栽培
コンパニオンプランツの混植、間作とリレー栽培を組み合わせることで、空間を効率的に利用ができて、時間枠も効率的に利用することが可能になります。
年間で考えると一つの畝で、多品目の栽培が可能になるのでかなり効率的です。
春のスタートで、定番野菜を育ててから、少しの肥料栽培でしっかり収穫します。
まずは、春にじゃがいもを育てて収穫したあとに、夏に定番の野菜のエダマメ、トウモロコシなどを混植で育てます。
そこから、秋に葉菜類のブロッコリーやホウレンソウ、根菜類のダイコンやニンジンを栽培するプランです。
ここで紹介するリレー栽培の特徴は、ほとんどの品目が少しの肥料で収穫まで十分に育つものばかりで、低栄養型の栽培プランになります。
この順番で栽培すると、元肥や堆肥をたくさん使わなくてよいので、土つくりに費やすお金と期間を短縮できて、時間枠でも無駄なく効率的になります。
次々に収穫する年間プラン
次々に収穫する年間プランの一例、種まきから収穫までの期間はこちらを参考にしてみてください。
■春先 3月末から6月中旬
畑に生える雑草を生かして病気に強い株を育てましょう。
じゃがいもの栽培をします。
じゃがいもは前に野菜を育てていた場所なら、堆肥や元肥は不要です。
種イモは、切り口を上向きに置く逆さ植えをおすすめします。
じゃがいもは高さ20センチで土よせ、さらに2週間くらいたったら再度土よせをしてください。
まわりにアカザ、シロザなどが生えてきても除草しないでそのまま残しておくことで、アカザ、シロザは根を深く伸ばし、葉が地表を覆って保湿できるために、ジャガイモの成長が促されたり、泥はねが減って、疫病の発生がすくなくなる効果があります。
※アカザ、シロザは野や畑に生えてくる1年草の雑草の一種です。
■夏場 6月中旬から9月中旬
トウモロコシの茎に絡みつきながらよく育ち、虫よけにもなるマメ科の植物を植えましょう。
トウモロコシ、エダマメ、ツルインゲンの栽培をします。
トウモロコシの合間に、エダマメ、ツルインゲンを混植します。
エダマメやツルインゲンは紺類菌の働きで土を肥沃にしてくれます。
トウモロコシの茎があるため、ツル科の支柱がいらなくなります。
■秋冬 9月末から3月上旬
前作でできた土を利用して後作を栽培しましょう。
ブロッコリー、ホウレンソウ、ダイコンやニンジンの栽培をします。
ブロッコリーの合間にリーレタスを植え付けて害虫よけにすることでも、5種類の野菜を栽培することができます。
気候にもよりますが、ホウレンソウやニンジンは3月上旬まで収穫可能です。
ここでは土つくりは基本的に不要になります。
適切に追肥のみおこなえば、6月中旬、9月中旬の次の野菜への切り替え時にも元肥を多く施す土つくりの作業はいらなくなります。
コンパニオンプランツのリレー栽培のヒント
今回の一例は、ジャガイモ→トウモロコシ・エダマメ・ツルインゲン→ブロッコリー・ホウレンソウ・ダイコン・人参(追加、リーレタス)のリレー栽培です。
じゃがいもの収穫後に、畝を立てて種まきします。
やせた土でもよく育つエダマメは無肥料で大丈夫です。
トウモロコシは必要に応じて追肥を補充する程度で大丈夫です。
混植には、ツルンゲンを植えることで土が肥沃になるので、プラスになります。
少ない肥料でもよく育つ、ダイコンとニンジンは、エダマメの後なら無肥料でも大丈夫です。
コンパニオンプランツの混植のヒント
枝豆とトウモロコシは生育促進と害虫忌避になります。
トウモロコシとつるありインゲンは生育促進と害虫忌避に効果があります。
ブロッコリーとフリーレタスは害虫忌避になります。
大根と人参の組み合わせは育促進と害虫忌避に役立ちます。
※忌避(きひ)の意味は嫌ってさけることをいいます。
コンパニオンプランツのリレー栽培で相性のよい組み合わせ
- 【エダマメ→ハクサイ】 エダマメが肥沃にした土で肥料食いの結球野菜が良く育ちます。
- 【エダマメ→ダイコン・ニンジン】 堆肥を施さずにリレーできて、根菜類の肌がきれいに育ちます。
- 【スイカ→ホウレンソウ】 スイカの根が、深くまで土を耕したあとは深根タイプの野菜を育てよう。根が深く伸びた後は次の作物も根が深く伸びやすくなります。
- 【トマト→チンゲンサイ】 トマトの後は葉物の秋野菜を育てよう。ネキリムシの被害を避けて種から育ちやすくします。
- 【キュウリ→ニンニク】 根圏微生物が異なるため病気が発生しにくくなります。
- 【ダイコン→キャべツ】 根こぶ病菌を減らしてキャベツを確実に結球させます。先に植えたダイコンがおとりになって根こぶ病菌を掃除してくれます。
- 【ダイコン→サツマイモ】 養分が少なくなっても育つ野菜の組み合わせで品質がアップします。この組み合わせで連作することでダイコンは肌がきれいで肉質細やになりサツマイモもつるぼけにならず太く甘い高品質なものになります。
- 【ニンニク→オクラ】 ニンニクの根の跡や残肥を利用してオクラが良く育ちます。ニンニク収穫後、すぐにオクラの種をまいてもオクラは良く育ちます。
- 【たまねぎ→秋ナス】病気の心配をせずに連作で秋どりナスを楽しめます。たまねぎ収穫後の残った根が少しずつ分解して肥料分として利用されます。
ここに記載したのはごく一部です。
植物の種類によって、他に及ぼす効果が違ってくるので、植える順番が最も大切ですので覚えておきましょう。
まとめ
こちらで紹介したコンパニオンプランツとリレー栽培はほんの一例です。
混植と間作、リレー栽培をかけあわせることによって、多品目が収穫できるのでかなり効率的になりますよね。
それぞれの特徴を生かしてリレー栽培することで、土も肥沃になって採れる野菜の品質もUPします。
先に育てる野菜で土を肥沃することからはじめると、後の栽培が楽になりますよ。
年間を通じて、少ない肥料分で育つ野菜を栽培することで、土の状態が安定して病害虫も少なくなり、更に毎年同じ作物を連作すると、それぞれの野菜が育ちやすい環境になります。
リレー栽培では、秋からスタートすることで、野菜を栽培し、収穫しながら病虫害に強い土をつくり、夏から秋の果菜類へとつなげていくプランなどもあります。
リレー栽培を理解したら、先に、栽培する野菜の種類を選定して、次々に収穫できるような年間プランをたててみましょう。
コメント